毎朝牛乳を飲むという人も多いと思いますが、飲んでいる薬によっては牛乳との飲み合わせが悪い場合があります。
今回はどういった薬が牛乳と相性が悪いのかを確認してみたいと思います。
牛乳の何が問題なのか?
牛乳には大量のカルシウムが含まれていますが、カルシウムは薬に含まれる成分との相性が悪い場合があります。
また、カルシウムの過剰摂取も体に悪影響を及ぼすことがあります。
カルシウムは牛乳のほかにチーズやヨーグルトなどの乳製品、小魚や海藻、豆腐や納豆などの大豆製品にも多く含まれています。
その中でも牛乳は、多くの人に飲まれており(毎日飲む人もいる)、カルシウムの吸収効率も高いことから薬との飲み合わせには特に注意が必要です。
カルシウムが薬の吸収を邪魔する
薬によっては牛乳と一緒に飲むと、牛乳に含まれるカルシウムと薬の成分が結合して体内に吸収されにくくなってしまい、その結果、薬の効果が弱くなってしまう場合があります。
具体的には骨粗鬆症の薬のリセドロン酸ナトリウム(商品名「ベネット®」、「アクトネル®」)やイバンドロン酸ナトリウム(商品名「ボンビバ®」)、ニューキノロン系抗菌薬のシプロフロキサシン(商品名「シプロキサン®」)、抗がん剤のエストラムスチン(商品名「エストラサイト®」)などが、製薬会社の添付文書で牛乳などカルシウムを多く含む食べ物や飲み物と一緒に服用すると効果が弱まるという記載があります。
ここに挙げた薬以外でも、同系統の薬を服用している場合は牛乳を飲むと効果が弱まる恐れがあるので、薬の服用時に牛乳を飲むのはやめましょう。
ただし、薬を服用してから時間をあければ、牛乳を飲んでもいい場合もあるので、どうしても牛乳を飲みたい人は医師や薬剤師に相談してみましょう。
体内のカルシウムが増え過ぎてしまうことも
体に必要なカルシウムが不足している状態「低カルシウム血症)」では、塩化カルシウムなどのカルシウム製剤を使って治療することがあります。
もし、カルシウム製剤を飲んでいるときに、カルシウムを多く含む牛乳などを大量に摂取してしまうと、体内のカルシウムの量が増え過ぎてしまう「高カルシウム血症」になってしまう可能性があります。
高カルシウム血症は重症化すると、錯乱や昏睡などの意識障害を引き起こし、治療が遅れると最悪の場合は命にかかわることもあるので注意が必要です。
またカルシウム製剤以外にも、アルミニウムやマグネシウムを含み、胃酸を中和する目的で使用する薬(制酸剤)なども、牛乳と一緒に服用すると高カルシウム血症になることがあるので、これらの薬を飲んでいる場合は大量に牛乳を摂取することは控えましょう。