代謝ってなんだろう?
雑誌やテレビで「代謝を上げて健康的に!」とか「代謝を上げてダイエット!」という特集をよく見かけます。
ところで「代謝ってなに?」と聞かれて、きちんと答えられる人はどれほどいるでしょうか?
人間は、生命を維持するために体の外から摂取したさまざまな物質を利用して、エネルギーを得たり、体に必要な物質を体内で合成したりします。
この過程(化学反応)が「代謝」です。
糖質や脂肪などは分解されてエネルギー源となります。
タンパク質は分解されてアミノ酸となり、筋肉を維持・成長させる材料となります。
代謝には、反応する物質によって糖代謝、脂質代謝など、いくつかの代謝経路が存在し、それぞれの代謝経路によって、エネルギーを生み出したり、体を構成する物質を作り出したりしています。
代謝が上がるってどういうこと?
では、「代謝を上げる」とは、どういうことなのでしょうか?
これは「基礎代謝量や生活活動代謝量を上げる」ことを指していると思われます。
基礎代謝量は、何もせずに安静にしている時に身体が消費するエネルギー量のことで、自動車でいえば停車中の「アイドリング時の燃費」に相当します。
生活活動代謝量は活動した時に身体が消費するエネルギー量で、自動車で言えば「走行中の燃費」に相当します。
つまり「代謝を上げてダイエット」とは、「燃費の悪い身体を作って、たくさん動けばやせますよ(食事量が変わらなければ)」ということになるのです。当たり前のことですね(笑)
基礎代謝量は成長期である10代の時が最も高く、標準体重で1日に約1200~1600キロカロリー(体重1kgあたり27~30キロカロリー)を消費します(性別、体重などで差がある)。
男性は15~17歳で、女性は12~14歳がピークとなります。
その後は基礎代謝量は加齢とともに徐々に減少していきます。
【参考】
日本医師会HP「1日に必要なカロリー」
生活活動代謝量は、活動の内容や時間によって異なります。
1日のほとんどを座って過ごす人では基礎代謝量の50%、
座り仕事が中心だが移動や立ち仕事もする人で基礎代謝量の75%、
立ち仕事や肉体労働が主体の人や運動習慣がある人では基礎代謝量とほぼ同等のエネルギーを消費します。
1日の概算必要エネルギー量(男性30-49歳、68kg/女性30-49歳、53kg 単位:キロカロリー)
(注意)この数値はあくまでも目安で、体重や体質、活動量によって変化します。
基礎代謝量 | 生活活動代謝量 | 1日量 | ||
男性 |
低活動量 | 1550 | 750 | 2300 |
中活動量 | 1150 | 2700 | ||
高活動量 | 1550 | 3100 | ||
女性 |
低活動量 | 1150 | 550 | 1700 |
中活動量 | 850 | 2000 | ||
高活動量 | 1150 | 2300 |
【参考】
日本医師会HP「1日に必要なカロリー」
この1日の必要エネルギー量よりも1日の摂取エネルギー量が多ければ太り、少なければ痩せることになります。
【参考】