複数の薬を飲んでいると、薬の飲み合わせを気にされる人は多いと思いますが、食事と薬の組み合わせは盲点になりがちです。
しかし薬と食品(飲み物)との組み合わせによっては重大な健康被害を引き起こす可能性があります。
今回は食品ごとに組み合わせに問題のある薬を挙げていきたいと思います。
グレープフルーツジュース
朝食の際にはよくグレープフルーツジュースを飲むという人もいらっしゃると思いますが、実はグレープフルーツジュースは組み合わせの悪い薬が多いです。
高血圧治療薬のアムロジピンやニフェジピン、脂質異常症治療薬のアトルバスタチンやプラバスタチン、てんかん治療薬のカルバマゼピンなどが当てはまり、これらの薬の作用を強くします。そのため薬が効き過ぎたり、副作用が出やすくなる場合があります。
グレープフルーツジュースに含まれる成分が、体内で薬物が分解されるのを邪魔することが原因です。定期的にグレープフルーツジュースを飲むという人は気をつけましょう。
牛乳
牛乳にはカルシウムが多く含まれることはよく知られていますが、薬の中にはこのカルシウムと組み合わせが悪いものがあります。
細菌に感染した際に使用される抗菌薬の一種であるニューキノロン系のシプロフロキサシンや骨密度を上昇させるリセドロンやアレンドロンがそうです。
これらの薬の成分はカルシウムと結合して体内に吸収されにくくなってしまい、薬の効果が弱くなってしまいます。
ビタミンK含有食品
このような書き方をすると分かりづらいですが、要はビタミンKを多く含む食品です。
ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜や納豆に多く含まれます。
これらの食品と組み合わせが悪いのは血液をサラサラにする作用(抗凝固作用)のあるワルファリンという薬です。
ビタミンKは血液が固まるのに必要な成分ですが、ワルファリンはこのビタミンKの働きを邪魔することで血液をサラサラにします。
ですからビタミンKを含む食品を食べてしまうと、ワルファリンの効果が弱くなってしまいます。
そうすると血管の中で血液が固まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしてしまう可能性もありますからワルファリンを服用中の人は注意が必要です。
チーズ
チーズは抗菌薬のリネゾリドや抗パーキンソン薬のセレギリン、結核治療薬のイソニアジドと組み合わせが悪い食品です。
チーズにはチラミンという成分が多く含まれていますが、これらの薬がチラミンを分解できなくしてしまい、チラミン中毒を起こしてしまう可能性があるのです。
チラミン中毒になると血圧が上昇したり、頭痛やめまいを引き起こします。
チラミンはほかにもレバーやビール、ワインに多く含まれています。