お口からのニオイって、とても気になります。実際、辞書で口臭を引いてみますと「呼気の嫌な臭い」とあります。
嫌な臭いですから、自分で気がついてもそうですし、人から指摘されてはなおさらです。口臭が気になった時、どうすればいいのでしょうか。その原因や治し方について紹介します。
口臭の種類
一言で口臭といっても、その症状はさまざまで、生理的口臭と病的口臭にわけることができます。簡単にいえば、生理的口臭は一過性の口臭、病的口臭は継続的に続く口臭です。
治療しなければならないのは、病的口臭です。生理的口臭は、正常と考えられるので治療の対象とは考えられていません。
口臭の原因
口臭の原因を考えるなら、生理的口臭と病的口臭にわけて考えなければなりません。
生理的口臭は、食事によって起こるものや、朝起きたあとの臭い等生活のリズムによって生じます。したがって、原因は食べ物や飲み物、生活リズムといえます。
一方、問題となる病的口臭ですが、その原因はいろいろあります。
多いのが歯周病からくる口臭です。また、口腔乾燥症(ドライマウス)というお口が乾燥する病気やむし歯、入れ歯によっても生じます。つまり、お口に原因がある場合が多いのです。
喫煙の習慣があると、ヤニ臭い口臭が生じます。
そのほか、糖尿病や胃潰瘍、慢性腎臓病、肝臓病などの内科的な病気によっても起こります。中でも糖尿病の口臭は、アセトン臭という名前が付けられるほど有名です。
加齢によっても口臭が生じます。
これを病的口臭に含めるのか議論のあるところですが、継続的に生じる口臭という視点でとらえれば、病的口臭に含まれるという見方も出来ます。
生理的口臭の治し方
生理的口臭は、治療の対象とはなりません。
たとえば、起床時の口臭は、睡眠中お口を閉じ続けたことにより、お口の中で細菌が繁殖したことによって起こります。これは誰にでも起こります。
また、ニンニクが代表的ですが、食後に臭いを発する食品があり、これも口臭の原因となります。
治療ではありませんが、予防するための対策は、朝歯を磨く、臭いを発しやすい食事は避けるなどです。
病的口臭の治し方
病的口臭の治療は、原因となる病気に対する治療です。
歯周病によって口臭が生じている場合は、歯周病の治療をします。
むし歯の場合は、むし歯の治療です。
歯周病やむし歯の治療は、歯科の仕事です。
ただし、歯科医師だけで口臭の治療が完結するわけではありません。
歯科で治療を受けた後は、毎食後、しっかり、そしてていねいに歯みがきをしましょう。そうすることで、初めて口臭が改善されます。
入れ歯の臭いも同じです。入れ歯を調整するのは歯科医師の仕事ですが、調整した後の入れ歯がきれいな状態を保つようにするのは、患者さん側の仕事です。
口腔乾燥症による口臭の治療では、唾液の分泌を促す薬を使って唾液量を増やしたり、人工唾液や保湿ジェルを使って、お口の中の乾燥を防いだりします。歯が十分残っている場合は、ガムを噛むのもいいでしょう。
これらの治療は、歯科・歯科口腔外科で主に行ないます。
口臭の原因が内臓にある場合もある
内科的疾患によって生じる口臭の治療は、内科医師の出番です。
糖尿病や胃潰瘍など内臓系の病気によって口臭が起きているのなら、お薬による治療が必要です。病院や診療所を受診して専門の医師に処方してもらいましょう。
糖尿病や胃腸疾患などの内科的疾患には、日常生活からくる影響も大きいです。健康な食生活、ストレスをためない、睡眠時間を十分確保するなど、日常の生活習慣を整えるようにしましょう。
また、タバコによる口臭には、タバコを控えることが一番の対策です。一人で禁煙するのが難しいなら、禁煙外来を利用するのもいいでしょう。
口臭の治療には、このように医師や歯科医師の治療だけでは十分とは言えません。患者さんとの二人三脚で頑張って、初めて改善することができます。
一朝一夕にはいかないものですが、口臭が気になるときは、思い出して頑張ってください。