人は誰でも年齢を重ねると老化によって心身機能が低下していきます。
介護予防のためには、心身の機能の維持と向上を図ること、日常を活動的に過ごすこと、社会活動への参加が重要です。
介護予防のための具体的な生活習慣について考えてみましょう。
介護予防のために大切なことは生活機能の向上
これまでの介護予防では、体力や筋力の低下、認知機能の低下に対して、運動や体操、脳トレなどを行うことで、心身の機能維持と向上を図っていました。
しかし最近では、高齢者が要介護となる背景には、生活機能の低下があることがわかり、介護予防のためには「心身機能の維持・向上」「日常における活動の向上」「社会活動への参加」の3つの要素を取り入れることが大切と言われています。
今より10分多く体を動かす
健康寿命を延ばすための運動指針とされる厚生労働省の「健康づくりのための身体活動指針2013」では、日常生活や運動によって、少しでも多く体を動かすことが推奨されています(たとえば、今より10分多く歩くなど)。
体を動かす際、地域で行われるスポーツイベントや体操教室などに参加するなど、社会と結び付いていくと理想的です。
他人とかかわることで、自分の身体への意識も高まり、生活習慣の改善への意欲が生まれることが期待できます。
食事をするときは誰かと楽しく
食事は人間が生体活動を行ううえで、もっとも重要な活動のひとつです。
理想的な食事は和食の一汁三菜(二菜)です。
主食にはご飯などの炭水化物、主菜には肉、魚、豆類、卵などのたんぱく質、副菜(サラダ)や汁物には野菜や海藻などのビタミンと食物繊維、ついでに牛乳などの乳製品からカルシウムを補うことができると理想的です。
しかし、一人暮らしの高齢者はひとりで食事をすることが多く、食事への関心や楽しみが薄れてきます。
ひとりで食事の準備をして、ひとりで食べるとなると、栄養バランスに気を遣うことはおろか、食事をすること自体が億劫となります。
その結果、食事内容が乏しくなり、低栄養に陥ることも少なくありません。
また、咀嚼・嚥下などの口腔機能も低下して、機能的な面でも食事をすることが困難となることもあります。
家族や友人、地域の人など、誰かと一緒に楽しく食事をする機会を持ち、食事を「おいしい」、「楽しい」と思える環境を作ることが大切です。
趣味・生きがいをもつこと
高齢になると、退職や配偶者との死別など、生活環境が変化して、社会や家庭での役割がなくなっていきます。
そうなると自宅にこもりがちとなり、身体的・精神的な機能の低下につながります。
趣味や生きがいをみつけて社会へ参加する機会を持つことは、生活にメリハリをつけ、活動的な生活を送るきっかけとなります。
趣味や生きがいを持ち、活き活きとした生活を送りましょう。
(参照リンク)
「これからの介護予防」(厚生労働省)